「キングダム」76巻感想!韓の王族のクズさが面白い「国を救うか、民を救うか」

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1巻から読み続けている漫画「キングダム」の最新刊76巻を読んだので感想書いていきます。

完全にネタバレコラムなのでまだ読んでない方はご注意ください。

目次

前回までのあらすじ|騰と寧の密会

まずは前の巻の展開を例によって忘れているため、75巻の後半をおさらいするところから。

現状としては、秦がいよいよ天下統一に向けて韓を滅ぼそうとしているところ。まだ一国目。長すぎ。

まさにその戦場における秦軍総大将・騰が韓の王族の姫君であるに降伏するよう勧告する。もちろん寧は「はいそうですか」とこの提案を鵜呑みにするはずもない。

読んでいる側からしたら、秦はそんな野蛮な国じゃないからさっさと降伏した方がいいんだけどなぁ…と思いつつも、基本的には滅ぼされた国の民は皆殺しか奴隷にさせられるという時代だから、やすやすと降伏するなんてことはもってのほか。

この場での交渉はいったんは決裂する。

才能の洛亜完か、経験の騰か

前巻である75巻の終盤は、いくら天才の洛亜完といえど、百戦錬磨で経験豊富な騰軍には適わないということを騰が語るも、最終的には洛亜完の策略にハマった様子が描かれた。

しかし騰の言うことは最もだと思う。才能よりも経験が勝るという理屈は現代社会においても通用するだろう。

だがさらに洛亜完の才能は騰の想像以上だった。それを騰軍の軍師でもある隆国が冷静に分析している。

洛亜完、お前は完全に戦場全体を”俯瞰”しているな

キングダム75巻

洛亜完を上手くひきずりだし、短期決戦に持ち込みたい騰の思惑にまんまと乗せられたかのように見えた洛亜完だったが、上手いこと騰、録嗚未、干央、隆国のそれぞれの軍を分断し、戦局を一気に韓軍優勢に持ち込んだ。

洛亜完たいしたことないじゃん

そしてここからが76巻の展開だけど、やっぱりね、どれだけ窮地においやられても、この騰の「何かやってくれそう感」は半端じゃない。

キングダムの真骨頂はやはり追い詰められてからいかに挽回するかという点にある。まあ、どの作品にもそれは言えることだけど、キングダムにおいてはやはり実際の死がすぐ隣にある分、そのスリルや面白さは格段にあがる。

だからこそ、騰のあのポーカーフェイスを見ていると、まださらに敵の上をいく考えがあるのだなと安心し、その後の挽回策に大いに期待が高まる。

そして今回の打開策はズバリ「王騎軍の信頼関係」。

新手の味方が登場するでもなく、突飛な戦略を繰り出すでもなく、シンプルイズベストと言わんばかりの打開策。

騰と各軍長の4人が互いの力を認め合い、信頼しているからこそ、ギリギリのところで持ちこたえ、もはや死に体の干央の復活により、洛亜完を見事敗走させる。

武力は疲れた騰と互角かちょっと上。でもなんだかんだ言ってもやっぱり経験ですよ。

これまで共に戦ってきた仲間との信頼や絆はより強固になり、薄氷の上を渡るようなスレスレの戦にも身を投じることができる。実際軍長の一人や二人死んでもおかしくなかった。

だからこそ、今回の洛亜完戦の終結の仕方はベストだったとも思う。

ただ、洛亜完もさらにもう一歩上の展開を用意しておいてほしかったが、あんまり長引くとまた天下統一が遠ざかるのでよしとしよう。

実際第二戦はまさかのダイジェストだったし。

信vs博王谷|最後まで決着が分からなかった

キングダムの主人公・信にも花を持たせるためにあてがわれたのは韓の第二将・博王谷。

こっちも激戦だった。まあ、主人公の信は死なないにしても、他の飛信隊メンバーは本当に誰が死んでもおかしくない。

実際にこれまでも、那貴や松佐、去亥など、飛信隊の中心メンバーが死んでいる例もある。

見ていて本当にハラハラする。

しかしなんとか討ち取った。言うことなし。

でもあんな大怪我負いながら、次の日には戦場に立てるのはいかがなものか。

秦軍対韓軍の戦の様子が前半の見どころでしたが、後半は一転、政治の話に。

何気にこの官僚のやり取りの様子もキングダムの見どころの一つだったりする。

自分のことしか考えない王族たち

満を持して送り出した洛亜完軍が敗北したことを聞き、韓王都・新鄭では官僚や王族たちが慌てふためいていた。

さらには第二将である博王谷が討たれたとあってはいよいよ秦軍が王都を攻めに来る。

それを聞きつけた王族たちは、滅多に顔を出すことのないものまでいち早く戦局をしるために宮中に集まり、いよいよ王都が攻められるとなれば、自分だけは脱出できるよう手筈を整えていた。成蟜のときの重臣のみたいに。

それにしても韓王はなぜここまで頼りないのか、ということに関してだが、これは実質的に政治権力を握っている張宰相が動きやすくするためだと考察する。

謎の男

洛亜完を送り出した責任者でもある張宰相は、今回の敗北に関して他の重臣から責任を取らされそうになっていた。

そこに登場するのが治安維持軍の長・夏侯龍。

張宰相はこの男を引き入れることにより、軍によって脅すことにより場をおさめた。

そしてこの夏侯龍がとんでもないことを言い出す。

この発言によって「国を守るか」「民を守るか」という議論に発展する。

民は滅んでもまた生まれてくる。国はそうではないと。いやいや、民が滅んだら元も子もないでしょ。

これってなんか、日本の終戦のときにポツダム宣言を受託する際に起こった軍部のクーデターに似ていると思った。

要するに決死隊的な要素を含んでいるようにも思う。どうせ滅ぶなら最後は全国民総動員して全員で突撃するべきみたいな。

でも、この様子を見ていると、寧にはすでに朝廷での力はないように思える。第一王族であるにもかかわらず「黙れ!」とか言われてたし。こんなやつ普通だったら速攻で死罪ですよ。

だから、騰の降伏勧告は意味があったのだろうか。

いずれにしても、この荒れた宮中をおさめるのはもはや寧しかいないわけで、その辺がどう展開していくのか、次巻が楽しみである。

ヨコヨコって何ものなんだろうか…。

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この記事を書いた人

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