【薬屋のひとりごと】風明（フォンミン）は処刑された？一連の事件の真相を徹底解剖！

後宮という華やかな舞台の裏には、複雑に絡み合った人間関係と暗い陰謀が渦巻いています。

その中で、特に読者の心を揺さぶるのが、侍女頭・風明（フォンミン）が起こした毒殺未遂事件と、その背後に隠された真実です。

「薬屋のひとりごと」におけるこのエピソードは、ただのミステリーに留まらず、人間の弱さや忠誠心が引き起こす悲劇を描き出しています。

この記事では、風明が犯した罪とその背景、そして彼女の運命がどのように物語全体を動かしたのかを徹底解説します。

さらに、彼女の過去が現在の事件にどのように繋がっているのか、猫猫（マオマオ）がどのようにして事件の真相を暴いたのかも詳しくお伝えします。

後宮の華やかさに潜む冷たい真実に迫るこの記事を通じて、「薬屋のひとりごと」の世界をより深く味わってみてください。

薬屋のひとりごと：毒殺事件の真犯人は風明（フォンミン）！事件の流れを解説

園遊会：里樹妃（リーシュヒ）毒殺未遂事件について

この事件は、後宮で開催された華やかな宴席中に発生しました。

玉葉妃の毒見役である猫猫がスープを口にしたところ、毒が混入されていたことが発覚します。

一見すると誰かが玉葉妃を狙って毒殺を目論んだかのようにも見えますが、実際に狙われていたのは里樹妃でした。

というのも、猫猫は園遊会で食事をする里樹妃の様子から、食事の中に里樹妃の苦手な食材、もしくはアレルギーを発症してしまう食材が入っていた可能性に感づきます。

しかし、本来であれば妃の食事には好みが配慮されているはずです。ところが、里樹妃が侍女たちからいじめを受けていた事実から、侍女が意図的に玉葉妃と里樹妃の食事を入れ替えた可能性に気づきました。

つまり、本当に命を狙われていたのは里樹妃だったということになります。

猫猫が毒見役として毒を口にしたことで事件は未然に防がれましたが、彼女が迅速に解毒を行わなければ命に関わる危険な状況でした。

この予期せぬ出来事によって、里樹妃の命は救われる結果となりましたが、事件の全貌が明らかになるにつれ、後宮全体に大きな波紋が広がります。

猫猫はこの真犯人を突き止めるべく、壬氏の指示の元内密に捜査をすることとなります。

木簡炎色反応事件について

木簡炎色反応事件は、後宮で発生した「木簡」を使った通信と毒物入手の計画が明るみに出た事件で、園遊会の前に発覚したちょっとした事件です。

しかし、その過程で利用された木簡の暗号と炎色反応が、一連の事件を解明する鍵となります。

木簡とは、当時の通信手段として使われた細長い板で、風明は外部との連絡にこれを使用していました。

木簡には特別な塩水が染み込ませてあり、それを燃やすことで炎の色が変わり、暗号を読み取れる仕組みでした。この仕掛けは、一見すると平凡な通信手段に見える木簡が秘密の情報を伝える道具に変わるという巧妙なアイデアです。

事件が発覚したのは、宦官が後宮内で捨てられた木簡を焼却した際、炎が赤や青に変色し、毒性の強い物質に触れたことで手にかぶれが生じたことがきっかけでした。これを「呪い」と誤解した宦官の話が広まり、猫猫（マオマオ）の耳に入ります。

彼女はこの炎色反応が、毒や薬品に関連したものであることを見抜き、独自の調査を開始しました。

この事件の中心には、阿多妃（アードゥオヒ）の侍女頭・風明（フォンミン）がいました。

風明の着物が焼け焦げていたことや、腕に火傷があったことから、木簡の使用者が風明であると判明します。

彼女の行動は単なる悪意からではなく、主である阿多妃（アードゥオヒ）を守るためという動機に加え、自身が犯してしまった16年前の過ちを隠蔽するという動機に基づいていました。

柘榴宮の下女溺死事件について

柘榴宮で起きた侍女溺死事件は、風明の毒殺未遂計画と密接に関係していました。

この事件は、堀で発見された一人の侍女の水死体をきっかけに発覚します。

発見された侍女は纏足（てんそく）の影響で移動が困難であったため、自ら堀に飛び込んだとは考えにくい状況でした。これが自殺ではなく、何らかの協力者がいた可能性を示唆する重要な要素となります。

この侍女は風明の忠実な部下であり、毒殺未遂が失敗した後、風明が自ら責任を取るため自殺を図った際に、彼女が身代わりとなることを申し出ました。

侍女は風明が仕える阿多妃を深く敬愛しており、彼女の立場を守るために自ら犠牲となる決意をしたのです。最終的に、侍女は堀へ飛び込む形で命を絶ちましたが、その過程で命の本能から堀の壁を掻きむしる行動をしたため、指先が赤くなっていたことが猫猫の調査で明らかになりました。

この事件は、阿多妃を巡る後宮内の複雑な人間関係を浮き彫りにするものでした。侍女がそこまでの忠誠心を示した背景には、阿多妃の人柄が関係していると考えられます。一方で、事件そのものは、後宮の秩序を揺るがす大きな問題となり、壬氏（ジンシ）や猫猫が調査に乗り出すきっかけとなりました。

薬屋のひとりごと：風明（フォンミン）は処刑された？16年前の真実

16年前の真実：阿多妃の子は何故死んだ？

16年前の出来事は、風明の運命を大きく左右する過去の悲劇として描かれています。

風明は阿多妃の子供に蜂蜜を与えてしまい、結果として乳児ボツリヌス症を引き起こしてしまいました。この過ちは、風明自身に深い罪悪感を与えるだけでなく、彼女のその後の行動に大きな影響を及ぼします。

出産直後で衰弱していた阿多妃に代わり、筆頭侍女として責任感のあった風明は、実家が養蜂場を営んでいるということもあり、滋養に良いと思って阿多妃の子に蜂蜜を与えていました。

今では乳児に蜂蜜を与えるのは良くないというのは定説ですが、「薬屋のひとりごと」の舞台は中世の中国であり、まだ一般的な知識ではなかったのでしょう。

皮肉にも、良かれと思って与えていた蜂蜜が、子を死に至らしめた要因だったのです。

里樹妃が教えてくれた真実

子が死んでしまった当初ははっきりとした理由は分かりませんでしたが、しばらくして阿多妃と親しくしていた里樹妃が、自分が乳児の頃に蜂蜜によって死にかけたことがあるという話を風明に教えに来ました。

このことによって風明は、阿多妃の子を死なせてしまったのは自分が与えていた蜂蜜であることを知ります。

このことを阿多妃に聞かせたくない風明は、必死に訴える里樹妃を毎度追い返し、やがて先帝が崩御し里樹妃は出家します。

これに風明は安堵しますが、やがて現皇帝の妃として再び阿多妃の前に姿を見せるようになります。

このままでは阿多妃が真実を知るのも時間の問題と悟った風明は、木簡の暗号によって毒を入手し、里樹妃の毒殺を計画したのです。

アニメ11話「二つを一つに」の意味とは？

風明が里樹妃の毒殺を企てた動機は二つあります。

一つは、先述のとおり、16年前に自身が犯してしまった過ちを隠蔽するため。

そしてもう一つは、上級四妃の立場を守るためでした。

猫猫に事件の真相が見破られてしまった以上、皇帝の妃を毒殺しようとした罰をもはや免れることはできません。

猫猫が提案したのは、里樹妃の毒殺の動機として、16年前の真実については伏せておくことでした。つまり、二つあった動機を一つにしたということです。

もちろん、それでも妃を手にかけようとした罪は免れませんから、結果として風明は処刑されました。

なぜ猫猫も処罰対象に？風明との関係

当時の習わしとして、一族の誰かが重罪を犯すと、連帯責任のように一族や関係者すべてが処罰の対象となります。

風明の実家は養蜂を生業とする商家であり、後宮に食材や物資を供給していました。

当然、その取引先や関係者も処罰対象となり、関係者全員が後宮を追放される事態となります。

作品中では、後宮の女官だけでも約80人が解雇されていました。

ここで問題となったのが、猫猫の過去の身元です。

猫猫は元々、花街で育てられた薬師の娘ですが、後宮に売り飛ばされる際、「交易を生業とする商家の娘」として身分を偽装されていました。この偽装された商家が偶然にも風明の家と取引があったため、名簿に名前が残っていたことが問題視されます。

その結果、猫猫は風明との繋がりがあるとみなされ、後宮を解雇されることになりました。

しかし本来は、風明と猫猫の間には一切血縁関係のようなものはありません。

子のすり替えについて

ここで少し複雑なのが、阿多妃の子として蜂蜜によって死んでしまった子は、実は阿多妃の子ではなく、同時期に生まれた先帝の息子、つまり現皇帝の実の弟であったということです。

出産時、自分よりも皇后様の出産が優先された現実を目の当たりにし、身分の低い自分の子よりも皇族の子が何かにおいて優先されることを悟った阿多妃は、自身の子と皇后の子をすり替えるという大胆な行動にでます。

つまり、現在皇弟として生きている人物こそ、本当の阿多妃の子であるということになります。

さらに詳しいことは以下の記事で解説していますのでご覧ください！

＞＞＞【薬屋のひとりごと】壬氏と阿多妃（アードゥオヒ）の隠された真実と関係性を徹底解説

まとめ：風明は妃毒殺未遂の容疑で処刑された

結果的には、この一連の事件は、風明の善意が悲劇を生み、里樹妃の侍女の悪意が結果的には里樹妃の命を救うという皮肉な事件として幕を閉じました。

もちろん風明は里樹妃毒殺未遂の容疑で処刑されてしまいました。

阿多妃の知らないところで、阿多妃を守ろうとした人間たちが次々に死んでいったことで、阿多妃もやるせない気持ちでいっぱいでしょう。

2025年1月からはアニメ2期も始まり、猫猫や壬氏を取り巻く謎がさらに深堀りされていくと思います。期待したいところです。