【呪術廻戦】羂索（けんじゃく）は死亡する？その正体や目的を徹底解説

週刊少年ジャンプ連載のダークファンタジー漫画『呪術廻戦』。
その中でも終盤にかけて物語の鍵を握る存在として描かれたのが、“羂索（けんじゃく）”という謎多き人物です。

羂索は、特級呪詛師・夏油傑の肉体を乗っ取り、渋谷事変や死滅回遊といった数々の事件を背後で操ってきました。目的も正体も当初は不明で、読者の間ではさまざまな考察や予想が飛び交っていたキャラクターです。

この記事では、そんな羂索の正体と目的、最終的にどうなったのか、原作最終章の展開をふまえてわかりやすく解説します。今だからこそ語れる伏線や重要シーンの意味にも注目してみてください。

【呪術廻戦】羂索（けんじゃく）は死亡する？その正体や目的

羂索って何もの？作中での初登場と基本情報

項目	詳細
読み方	けんじゃく
正体	脳を他人の体に移植して生き続ける呪詛師
初登場	第10話（夏油傑の姿で登場）
元の姿	不明（脳だけで存在する）
これまで乗っ取った人物	加茂憲倫、夏油傑など
使用術式	乗っ取った体の術式を使用可能
主な術式例	人類の呪力最適化と進化／天元との同化による新存在の創造
目的	人類の呪力最適化と進化／天元との同化による新存在の創造
性格	冷酷かつ論理的、思想的には理想主義者

羂索は、呪術廻戦に登場する長寿の呪詛師で、自らの脳を他人の身体に移植することで生き続けてきた異常な存在です。その術式により、肉体が滅んでも意識を保ち、他人の体を使って呪術師としての活動を続けています。

初登場は第10話（単行本2巻）で、夏油傑の姿でファミレスに現れました。このときはまだ正体は明かされておらず、夏油が乙骨と五条によって殺された描写のある【0巻】を読んだ読者は「なぜ死んだはずの夏油がいるのか？」と混乱する展開になっていました。

その後、渋谷事変の終盤で五条悟に正体を見破られたことで、脳を露出させて「羂索」としての正体を自ら明かします。ここで初めて、彼が夏油傑ではなく“別人”だったことが判明します。

羂索の正体とこれまでの乗っ取り遍歴

羂索はかつて、加茂憲倫という呪術師の身体を使っていたことが作中で明かされており、その名を借りて「最悪の呪詛師」と呼ばれてきました。このように、過去の重要人物の肉体を奪いながら、何世代にもわたり呪術界に干渉してきたのです。

また、夏油傑の遺体を乗っ取ったことで特級術式「呪霊操術」も手に入れており、それを利用して多くの呪霊を使役しています。仲間のふりをして他人を操り、裏から計画を進めていくスタイルが、彼の特徴のひとつです。

倫理や感情に流されることなく、目的のためにはどんな犠牲もいとわない思想を持ち、その冷酷さと頭脳で呪術師たちを翻弄していきます。登場人物のなかでも屈指の“黒幕感”を放っている存在と言えるでしょう。

なぜ夏油の身体を乗っ取った？

夏油傑の身体を選んだ理由は、戦略的かつ心理的な意味合いが大きいと考えられます。夏油は五条悟の親友であり、高専時代の仲間たちとも強い絆を持っていた人物です。そのため、彼の姿を利用することで、敵の心理を揺さぶり、行動を鈍らせる狙いがありました。

また、夏油は特級呪術師であり、「呪霊操術」という極めて強力な術式を持っています。この術式を手に入れることで、羂索は自らの計画をより強固なものにできると考えたのでしょう。呪霊を操れる術者は限られており、それを利用することでより多くの呪霊を戦力として確保できます。

ただし、夏油の死体を利用するという行為は、かつての仲間たちにとっては大きな侮辱でもあります。これは羂索の非情さを象徴する行動でもあり、彼がいかに目的のためには手段を選ばない人物であるかがよくわかります。

いつから入れ替わってた？

羂索が夏油傑の身体を乗っ取ったのは、「渋谷事変」の前段階、正確には夏油が死亡した後です。

原作では、夏油は『呪術廻戦 0』で乙骨憂太に敗北し、五条によって安らかにトドメを刺されています。その後、夏油の遺体を羂索が回収し、自らの脳を移植することで肉体を乗っ取ったと考えられます。

このため、登場時点からすでに中身は羂索だったということになります。つまり、五条や他の術師たちが「夏油」と再会したときには、すでに別人である羂索になっていたというわけです。

このタイミングのズレにより、登場初期の読者は混乱しましたが、真実が明らかになることで物語は大きく進展しました。

この入れ替わりは、単なる身体の奪取にとどまらず、五条に対する精神的ダメージを与える狙いもあったと考えられます。旧友の姿で現れるという点で、非常に巧妙かつ残酷な策略と言えるでしょう。

羂索の目的は？

羂索の目的は、単なる破壊や支配ではありません。彼は、人類を「次の段階」へ進化させるという、非常に独自かつ極端な理想を掲げて行動してきました。

そのために行おうとしていたのが、「天元と人類の同化」です。

天元は不老不死に近い性質を持つ存在で、もしこれと人類が融合すれば、今までにない新たな種が生まれると羂索は考えていました。言い換えれば、術師としての限界を超えた“新しい存在”の創造を目指していたのです。

また、彼がこのような進化を求めた背景には「呪力の最適化」があります。呪術という力をもっと効率的に使える世界を実現することで、人類全体を変革しようとしていました。これは理想主義的ではありますが、その過程では多くの命や倫理を無視しており、まさに“狂気の理想”と言えるでしょう。

さらに、羂索は予測不能な混沌を生み出すことにも執着していました。死滅回游という混乱を引き起こすゲームを仕掛けたのも、計算では測れない進化の可能性を引き出すためだったと考えられます。

五条悟の封印もその一環です。最強の術師である五条が生きていれば、羂索の計画が邪魔されるのは明白でした。そのため、夏油傑の肉体と獄門疆を利用し、五条を封印することに成功します。加えて、夏油の肉体を使うことで呪霊操術という強力な術式まで手に入れていました。

【呪術廻戦】羂索（けんじゃく）の死亡は確定！戦闘シーン解説

羂索の死亡は確定？死亡シーンについて解説

羂索の死亡シーンは『呪術廻戦』第27巻243話で描かれました。

お笑い芸人・高羽史彦との異色の戦いを終えた直後、乙骨憂太が突然現れ、羂索の首を斬り落とします。この奇襲は事前に練られた作戦であり、高羽が人を殺せないことを見越したうえでの連携攻撃でした。

首を斬られた後も、羂索はしばらく意識を保ち、乙骨と会話を交わします。「私の意志は受け継がれる」と意味深な言葉を残したことで、当初は死亡が確定したとは言い切れない状況でした。実際、羂索は脳が本体であり、それが無傷であれば他の肉体に乗り移る術を持っているため、生存の可能性も囁かれていました。

しかし最終的には、乙骨が羂索の脳を直接貫いており、この攻撃により再生や乗っ取りも不可能な状態になったと考えられます。呪術廻戦の世界では、脳が破壊されれば肉体の持ち主としての存在は消滅するため、これが羂索の“完全な死”を意味する決定打と見てよいでしょう。

以上の経緯を踏まえると、羂索はついに完全に死亡したと判断されます。長きにわたり暗躍してきた彼の野望も、乙骨によって終止符が打たれた可能性が高いと言えるでしょう。

高羽とのお笑いシーンが秀逸すぎる！

羂索と高羽の漫才シーンは、「呪術廻戦」でも異例中の異例とも言えるユニークな展開でした。

お笑い芸人である高羽の術式「超人（コメディアン）」は、観客に“ウケる”と確信したネタを現実にするという異色の能力です。羂索はこの術式を正面から打ち破ることができず、自ら「ボケ」に回って高羽との漫才に参加することで術式の終了を狙いました。

このやり取りはただのギャグではなく、両者の心理戦や、戦術的な駆け引きが見事に描かれています。特に注目すべきは、羂索が本気で高羽の“笑い”を理解し、彼のツッコミに応じてネタを繰り広げた点です。まるで夢の舞台であるかのような「C-1グランプリ」は、読者にとっても印象深い名場面となったことでしょう。

ただし、あまりの異質さに賛否が分かれる場面でもあります。シリアスな物語の中で、突然漫才が始まる展開に驚いた読者も多く、テンポや雰囲気のギャップに戸惑った方もいたようです。それでも、呪術廻戦という作品の“何でもアリ”な自由さを象徴する名シーンといえるでしょう。

羂索の戦闘シーンを振り返る！

羂索はただの策士ではなく、数々の戦闘を自らの手で繰り広げてきた強力な呪詛師でもあります。ここでは、彼がこれまでに対峙した主な術師との戦闘シーンを振り返りながら、戦いの内容や術式の特徴を解説していきます。

渋谷事変での戦闘：術師たちを翻弄した黒幕の一手

渋谷事変は、羂索が五条悟を封印するために周到に準備した大規模な計画であり、ここでも彼の戦闘能力と策略が存分に発揮されました。

この事件の最大の目的は「獄門疆（ごくもんきょう）」によって五条悟を封印すること。そのために羂索は、特級呪霊の漏瑚・花御・陀艮、さらには真人などを使って混乱を引き起こし、術師たちの戦力を分断します。

五条が渋谷駅地下で呪霊たちと戦っている最中、羂索は現場に現れ、死んだはずの夏油傑の姿で五条と対峙。ここで初めて「偽夏油」としての存在が表に出ることになります。五条は親友の姿をした相手を前に一瞬の動揺を見せ、それを利用して獄門疆を発動。封印に成功しました。

この場面では戦闘というよりも心理戦が主でしたが、五条を封じたことは作中最大級の戦果と言えます。

さらにその後、虎杖たち術師が奮戦する中、羂索は瀕死の真人を吸収。ここで「呪霊操術」の強化を果たし、自身の戦力をさらに増加させました。

九十九由基との死闘：特級同士の真っ向勝負

羂索の戦闘の中でも、最も熾烈だったのが特級術師・九十九由基との一戦です。場所は天元のいる薨星宮（こうせいぐう）。この戦いでは、まず九十九の前に脹相が登場し、時間を稼ぎながら羂索の術式を分析していました。

その後登場した九十九は、身体強化タイプの術式「星の怒り（ボンバイエ）」を駆使し、肉弾戦で羂索に挑みます。一方の羂索も、重力を操る術式「反重力機構（アンチグラビティシステム）」や領域展開「胎蔵遍野（たいぞうへんや）」を展開し、互いの力が激突。戦いの末、九十九はブラックホールを生み出すという自爆技で勝負を決めにかかりましたが、羂索はそれすら耐え抜き勝利します。

この戦闘は、単なる力比べではなく、戦略・耐久力・術式の応酬が光った一戦でした。

高羽史彦との異色のバトル：漫才での決着！？

異彩を放つ戦闘として語られるのが、高羽史彦との「お笑い対決」です。高羽の術式「超人（コメディアン）」は、自身が“ウケる”と確信したイメージを現実化するという異常な能力。そのため、常識的な攻撃では一切通用しません。

羂索はこの術式を破るため、戦闘ではなく“漫才”に持ち込むという選択をします。舞台は夢の劇場「C-1グランプリ」。ツッコミ担当・高羽とボケ担当・羂索という異例のコンビが誕生し、現実とは思えない世界で漫才を披露しました。

一見ふざけた展開のように見えますが、これは高羽の術式を終了させるための高度な戦略であり、羂索がいかに柔軟で狡猾かを示す戦いでもあります。最終的に漫才終了とともに術式が解け、そこへ乙骨が奇襲。戦闘の流れ全体が計画の一部となっていました。

乙骨憂太による奇襲：羂索の終焉へ

高羽との戦いの直後、背後から現れたのが乙骨憂太です。彼はすぐさま羂索に斬りかかり、首を一太刀で切り落とします。羂索は高羽の術式の余波により、乙骨の接近に気付けなかったと推測されており、奇襲は完全に成功しました。

さらにその後、羂索の脳は乙骨の攻撃によって直接貫かれた描写があり、この瞬間が彼の“完全な死”を意味する決定打になったと見られています。

この一連の流れは、戦闘だけでなく戦略・連携・心理戦までもが絡んだ非常に完成度の高い構成で、羂索というキャラクターの終幕にふさわしい展開でした。

まとめ

羂索は物語の根幹を揺るがす最大級の黒幕であり、思想・術式・行動すべてが規格外の存在です。

自らの脳を使って身体を乗り換え、1000年以上生き続けてきた羂索は、呪力の最適化や人類の進化といった壮大な目的のもと、天元との同化や死滅回游といった数々の計画を実行してきました。

夏油傑の身体を乗っ取り、五条悟を封印した渋谷事変を皮切りに、九十九由基との死闘、さらには高羽との異色の“お笑いバトル”まで、多彩な局面で術師たちと対峙。その戦い方は圧倒的な実力だけでなく、狡猾さや柔軟さも兼ね備えており、まさにラスボスにふさわしい存在でした。

最終的には乙骨憂太により脳を貫かれ、復活の余地を残さない形で退場しましたが、彼が遺した「意志」や伏線はなおも物語に大きな影響を及ぼしています。羂索という存在を振り返ることで、『呪術廻戦』という作品の複雑さと奥深さを改めて実感できるはずです。