【薬屋のひとりごと】子翠（シスイ）の正体とは？翠苓との関係も解説

アニメ『薬屋のひとりごと』第2期に登場する下女・子翠（シスイ）。

明るく虫が好きな変わり者として描かれる彼女ですが、物語が進むにつれてその素性には多くの謎が潜んでいることが明らかになっていきます。

ただの虫好きな下女と思われていた子翠の正体は、誰もが驚くような人物でした。

本記事では、そんな子翠の本当の身分や、翠苓（スイレイ）との関係、そして猫猫（マオマオ）を巻き込んだ行動の真意に迫ります。

初めて本作に触れる方でもわかりやすいよう、複雑な家系や背景も丁寧に整理しています。アニメ・小説・漫画それぞれの展開を踏まえて、ネタバレ込みで詳しく解説していきます。

ネタバレ記事となりますので、先に物語の展開を知りたいという方向けの記事となっています。ご了承下さい。

【薬屋のひとりごと】子翠（シスイ）の正体は？本当に下女？

子翠（シスイ）とは？基本情報

子翠（シスイ）は、アニメ『薬屋のひとりごと』第2期に登場する女官のひとりです。明るく無邪気で人懐っこい性格が特徴で、虫への強い愛着を持っています。

彼女は尚服（洗濯係）に所属する下女で、猫猫（マオマオ）と親しくなり、虫の話題を通じて信頼関係を築いていきます。

猫猫が薬草や毒に興味を持つ一方で、子翠は昆虫の観察に情熱を注ぎ、お菓子の包み紙にスケッチを残すほどです。

また、周囲の目を気にせず興味を追求する姿は、他の女官とは一線を画しており、猫猫からも一目置かれています。ただし、持ち物や知識などに不自然さが見られ、単なる下女ではないことをほのめかしていました。

子翠（シスイ）の正体は？

結論としては、実は、子翠の正体は後宮に仕える上級妃・楼蘭妃（ロウランひ）でした。

似ても似つかないような性格に思える2人ですが、実は同一人物という衝撃の展開でした。

普段は下女として行動していましたが、それは特定の目的を果たすための偽装でした。

楼蘭妃は、宮廷内でも有力な「子（シ）一族」の出身で、母・神美（シェンメイ）と父・子昌（シショウ）の間に生まれた血筋の高い女性です。

日によって服装や化粧を大胆に変えていたため、皇帝ですら彼女の素顔をはっきり認識できなかったほどでした。

こうして子翠は、「虫好きの下女」という仮の姿を利用しながら、後宮内外でさまざまな情報を収集していたのです。単に身分を偽っていたのではなく、背後には一族をめぐる複雑な計画が隠されていました。

子翠（シスイ）の初登場はいつ？

アニメにおいて子翠の初登場は、第25話「猫猫と毛毛」です。この回から、彼女は明るく無邪気な虫好きとして描かれ、猫猫と初めて接触します。

一方、原作小説では第3巻第2話「猫」、漫画版ではガンガン版が8巻第42話「猫」、サンデー版が8巻第31話「書」にあたります。それぞれのメディアによって描写の細かさや演出に違いがありますが、いずれも猫猫との出会いを軸に展開されます。

初登場時の子翠は、まさか妃であるとは思えないような軽快な言動を見せるため、多くの読者がその素性に気づかずに物語を読み進めることになります。

子翠（シスイ）の正体はなぜバレなかった？

子翠の正体がバレなかった背景には、非常に緻密な変装と計算された行動があります。

彼女は、普段から異なる民族風の衣装を身につけたり、化粧で顔立ちを強調したりして、自身の素顔を巧妙に隠していました。

さらに、楼蘭妃として登場する際には、体格の似た数十人の侍女たちを従えていました。それぞれ異なる化粧や髪型を施すことで、どの人物が本物なのか見分けがつかないように演出していたのです。

猫猫が楼蘭妃と直接会話を交わす機会がほとんどなかった点も、正体が明かされなかった一因と言えます。さらに、彼女の演技力も非常に高く、虫に夢中な様子を自然に演じることで周囲を欺いていたことも見逃せません。

というよりは、むしろこっちの方が本当の性格であり、楼蘭妃としての姿こそ、仮の姿と言えるのかもしれませんね。

子翠（シスイ）の正体はいつわかった？

物語の中で子翠の正体が判明するのは、猫猫と翠苓を連れて後宮の外へ出た場面です。

このとき、蛇に驚いた翠苓をかばった子翠が、「姉さまは蛇が嫌いなんだよ」と自然に発言します。

その一言により、猫猫は二人が姉妹であることに気づき、そこから子翠の正体が楼蘭妃であることを確信します。名前が一文字違いであること、そして知識や立ち振る舞いに不自然さがあったことが、その根拠となりました。

このように、真実が明かされる瞬間は非常にさりげなく描かれていますが、それまでの伏線が一気に結びつく重要な場面でもあります。

子翠（シスイ）の声優は誰？

アニメ『薬屋のひとりごと』で子翠の声を担当しているのは、瀬戸麻沙美（せと あさみ）さんです。彼女は表現力豊かな実力派声優として知られており、多くのファンに支持されています。

代表的な出演作には、『ちはやふる』の綾瀬千早や『呪術廻戦』の釘崎野薔薇などがあります。

明るく快活なキャラクターから、感情のこもったシリアスな役まで幅広く演じられることが強みです。

今回の子翠役でも、無邪気な虫好きの演技と、背後に秘めた冷静な意志のギャップを見事に表現しています。声優ファンにとっても注目すべき配役のひとつと言えるでしょう。

薬屋のひとりごと・子翠（シスイ）の正体と翠苓との関係を徹底解説！

子翠（シスイ）と翠苓の関係は？

子翠と翠苓は異母姉妹です。

母親が違うため環境も大きく異なりますが、共に神美の支配下で苦しい人生を送ってきました。

本来「子翠」という名前は翠苓のものでしたが、神美が強引にその名を取り上げ、実の娘である楼蘭妃に与えました。

この出来事は、翠苓にとって大きな精神的負担となり、子翠もそれを痛感していたのです。

このような過去があるため、子翠は翠苓を母から解放しようと強く願っていました。二人は表面上は別々の立場で生きていましたが、実際には深い絆で結ばれていたのです。

なぜ猫猫を誘拐した？

子翠が猫猫を砦まで連れて行ったのは、偶然ではありません。

医術や薬に詳しい猫猫を信頼し、特別な目的のために必要としていたからです。

一族の子供たちに仮死薬を飲ませ、「死亡」と見せかけることで処刑から逃れさせるという計画がありました。しかし、その処置や蘇生には確かな知識と技術が必要だったのです。

また、猫猫が壬氏にとって特別な存在であることを把握していた可能性もあります。

猫猫を巻き込むことで、壬氏を戦場に誘導し、禁軍を動かす交渉材料にしたのではないかと考えられます。

子翠（シスイ）の本当の目的は何？

子翠の本当の目的は、子（シ）一族の滅亡を自らの手で遂行し、罪のない人々を守ることでした。形式的には母・神美の命令に従っていたように見せながらも、実際にはそれを逆手に取って動いていたのです。

母の暴走を止めるため、一族をあえて粛清し、未来ある子供たちや姉の翠苓を救おうとしていました。そのために悪女の役を演じ、後宮での行動も緻密に計画していました。

表向きは冷徹な策略家ですが、内面には家族や弱者を守ろうとする優しさがありました。その行動には覚悟があり、計画が失敗すれば命を落とす危険さえありました。

子翠と翠苓の本当の目的の背景を解説

では、なぜ子翠と翠苓は子供たちを守る必要があるのでしょうか。

それは、子翠と翠苓の生い立ちに深く関わっており、子翠の母が皇宮に対して起こそうとしているクーデターが関係しています。

親族の関係性などが複雑なため、少し分かりづらいかもしれませんが、できるだけ詳しく簡潔に説明していきますので安心してください。

また、簡単にですが、家系図も作成しましたのでご参照ください。

子翠の母・神美がクーデターを起こそうとした理由

神美は、かつて「子の一族」の令嬢として育てられた女性でした。

しかし、子一族の権力は皇宮にとっては脅威であったことから、神美は若くして先帝に人質として差し出され、上級妃として後宮に入ることになります。

このとき、彼女自身は人質という立場にされていたことを知らず、「選ばれて宮廷に上がった」と信じていました。

しかし現実は残酷でした。先帝は幼女趣味の持ち主であり、神美にはまったく興味を示さず、神美の侍女であった11歳の大宝を寵愛します。そして、その少女との間に子をもうけるという理不尽な仕打ちを受けたのです。

神美は次第に心を閉ざし、妃としての自尊心を踏みにじられた屈辱と、愛を得られなかった悲しみを内に抱え込むようになります。そしてその後、20年越しに自由を得て、かつての婚約者・子昌のもとへ「後妻」として戻されました。

けれども、子昌はすでに、皇族の命によって、神美のかつての侍女の娘、つまり大宝の子を妻に迎えていたのです。この現実により、神美は完全に心を壊してしまい、自らの価値を見出すために「子の一族の栄光復活」という幻想に取り憑かれていきました。

この過去が、彼女がクーデターを計画する土台となっています。愛も権力も失った神美に残されたものは、「復讐」と「支配」でした。

子昌が神美に従う理由

子昌は、神美を初恋の相手として一途に思い続けていた人物です。

妃として後宮に上がったあとも、彼女を迎え戻すことだけを願いとして生きてきました。その願いが通り、やっと神美を妻に迎えた矢先、彼は彼女の精神が崩れていることに気付きます。

しかし、失われた過去を取り戻すことに執着しすぎていた子昌は、壊れた神美の現実を受け入れきれず、ただ彼女の命令に従う道を選びます。神美の野望がクーデターであっても、彼はその意思を否定することなく、逆らうこともせず、沈黙のまま支え続けました。

子翠と翠苓が選んだ道

このような家庭環境の中で育った子翠（楼蘭）は、母の狂気と父の無抵抗な従属を間近で見て育ちました。

その母親がクーデターを起こすとなれば、子の一族は子供もろとも処刑される運命にあります。

そこで、二人が協力して行ったのが、「仮死薬による子どもたちの救出」計画でした。この方法なら、子どもたちは「死んだ」とされ、粛清を逃れられる可能性があります。そしてその蘇生を、信頼する猫猫に託したのです。

子翠と翠苓のこれまでの行動の全てがここに繋がります。

翠苓が皇弟である壬氏を殺害しようとした背景も、処刑を実行する禁軍の統括者を殺害するためでした。

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子翠（シスイ）は死亡した？正体発覚後の結末と生存の可能性

作中では、子翠が飛発によって撃たれ、砦の屋上から転落したとされています。しかし、その後の描写から彼女が生存している可能性が高いと考えられています。

決定的なのは、猫猫から贈られた簪（かんざし）で銃弾を防いでいた描写や、港町で「玉藻（たまも）」と名乗る少女が登場する場面です。その少女は虫が好きで、子翠の特徴と一致する部分が多く見られます。

名前を捨て、新たな人生を歩み始めた彼女が、今後猫猫と再会する可能性もあるでしょう。

まとめ：子翠（シスイ）の正体は楼蘭妃！真の目的は一族の救済

子翠（シスイ）は、虫好きな下女という表の顔の裏で、複雑な一族の因縁や過去に翻弄されながらも、自らの意思で未来を切り開こうとした存在でした。
母・神美の狂気、父・子昌の沈黙、そして姉・翠苓との絆。

それらすべてが彼女の行動の背景にあり、決して単なる策略ではない「覚悟」と「希望」が込められていました。

仮死薬によって救おうとした子どもたち、猫猫に託された思い、そして“玉藻”という新たな名で歩み出したその後の人生。
子翠の物語は終わりではなく、「未来をつなぐための選択」として、多くの人の記憶に残るキャラクターとなったのではないでしょうか。