【サカモトデイズ】スラーの正体とは？有月憬の過去と目的を徹底解説

『サカモトデイズ』において、物語の鍵を握る存在であるスラー。

有月憬という本名で、かつては坂本や南雲と同期としてJCCに在籍していた彼は、なぜ殺連に牙をむき、敵対組織を率いる存在へと変貌したのでしょうか？

この記事では、スラーの正体や目的、圧倒的な戦闘能力に加えて、彼の過去や精神状態、多重人格の背景までを丁寧に解説します。

初めて作品に触れる方でも理解しやすいよう、エピソードを交えながら掘り下げていきます。

アニメ第2クールの放送開始に向けて、スラーというキャラクターの全貌をあらためて整理しておきましょう。

【サカモトデイズ】スラーの正体は？目的や能力を解説

スラーの正体は？坂本や南雲と同期？

スラーの正体は、有月憬（うづきけい）という元JCC（殺し屋養成機関）の生徒であり、坂本太郎や南雲、赤尾リオンと同じ時期に学んでいた人物です。

現在では敵組織「スラー一派」のリーダーとして活動しており、「スラー」という通称で呼ばれています。

JCC時代の彼は、地味で大人しく、同級生からもあまり目立つ存在とは思われていませんでした。

ただし、内に秘めた実力は非常に高く、14歳でJCCの編入試験に合格した時点で、その才能は突出していたと言えます。

彼が「スラー」と呼ばれるようになったのは、暗殺現場に必ずX印を残すという奇妙な癖が関係しています。

この記号が、彼の代名詞として定着しました。

同期との関係性にも注目すべき点があります。坂本や南雲、赤尾との関係は一時的に深まりましたが、後に裏切りや陰謀が絡んでくることにより、複雑な対立関係へと変化していきます。

スラーの目的は何？

スラーの目的は、現在の殺し屋組織である殺連を壊滅させ、一般社会と殺し屋の境界を取り払い、暴力を基盤とした新たな秩序を築くことです。

表面的には理想を語る場面もありますが、実態は秩序の崩壊と混沌を誘発する極端な思想を持っています。

この目的に至った背景には、彼が生まれ育った環境があります。

殺連直営の施設であるアルカマルでは、子どもたちが殺しの道具として育てられ、人格を否定される日々を送っていました。

有月もその中のひとりであり、心に深い傷を抱えながら成長した結果、自らの手で世界を変える決意を固めたのです。

彼の思想は、「人間の本質は暴力であり、守られるべき一般人などいない」という非常にシビアな観点から構築されています。

そのため、彼の掲げる秩序は正義というよりも、選別と淘汰の論理に近い側面を持ちます。

このような価値観は、過去に救いを求めたにもかかわらず誰にも助けられなかったという自身の体験が大きく影響していると考えられます。

スラーの強さはどのくらい？能力を解説

スラーの戦闘能力は、作中でもトップクラスに位置しています。

殺連関東支部を単独で襲撃し、数百人規模の死傷者を出した実績は、その力の証明とも言えるでしょう。

彼の武器である刃付きの鋼鉄鞭は12メートルを超える攻撃範囲を持ち、速度・威力・操作性のいずれも常識を超えています。

この武器を用いた戦闘スタイルは、従来の接近戦や銃撃戦では対応しきれないものであり、坂本太郎のような超一流の殺し屋ですら一瞬で致命傷を受けかねない危険性を持っています。

また、肉体的な強さに加え、戦術面でも冷静な判断力を発揮しており、相手の動きを先読みして行動する戦法を得意としています。

殺連関東支部襲撃の全容

殺連関東支部襲撃事件は、スラーの存在を世間に強烈に印象づけた重要な事件です。

この襲撃では、殺連に所属するプロの殺し屋を含む約180名が死傷し、支部の建物も半壊するなど壊滅的な被害を受けました。

作戦は計画的に実行され、複数のルートから同時に侵入。

内部の警備網を無力化し、混乱の中で要人を狙うという流れで展開されました。

スラーと楽の2人に加え、内通者である宇田も参戦し、ORDERの中でも屈指の実力者「篁（たかむら）」と交戦したにもかかわらず、殺連は甚大な被害を受けました。

スラーも坂本とやり合うだけの実力の持ち主でしたが、スラー一派である「楽」の実力も知れ渡ることとなりました。

この事件以降、スラー一派は殺連にとって最大の脅威とされ、ORDERの動員や組織体制の見直しが迫られることになりました。

【サカモトデイズ】スラーの正体は有月！なぜ殺連を憎む？

JCC時代に何があった？

赤尾リオンが登場し、坂本と南雲がまだJCC生だった頃の出来事が描かれる過去編は、単行本13、14巻に収録されています。

有月憬がJCCに在籍していた頃、彼は地味で目立たない学生として扱われていました。しかし、ある任務をきっかけにその隠された素顔が明るみに出ることになります。

任務は、殺連会長の妻子を警護するという重要な内容でしたが、有月には裏の指令がありました。

それは、兄である麻樹からの命令で、会長の家族を殺すというものでした。しかし、一般人に手をかけることに躊躇した彼は、代わりに仲間であるキンダカを標的にする選択をします。

この判断を偶然目撃した赤尾リオンにより、有月の秘密が露見し、二人は逃避行を始めることになります。この出来事がきっかけで、有月の中に大きな葛藤が生まれ、やがて精神の分裂という形で表面化していきました。

JCC時代の経験はスラー誕生の序章であり、現在の思想や目的を形作る大きな要因となったのです。

養護施設「アルカマル」とは

アルカマルは、表向きは児童養護施設とされていましたが、実態は殺連が直営する暗殺者育成施設でした。

ここでは、孤児や家庭を失った子どもたちが集められ、日常的に殺人技術の訓練を強制されていました。

有月憬を含め、スラー一派の多くのメンバーがこの施設の出身です。彼らは自分の意志とは関係なく戦闘訓練を受けさせられ、人間性を無視した環境の中で育ちました。そのため、感情や倫理観に深刻な影響を受けているケースも多く見られます。

さらに、施設内では生き残りを賭けた実験や選抜も行われており、仲間同士が敵になる場面も少なくありませんでした。こうした過酷な状況が、彼らの思想や行動の背景に大きく影響しています。

今でもアルカマル出身者の多くは、殺連に対して強い憎しみを抱いており、その感情がスラー一派の結束力を高めている一因となっています。

スラー一派とは？ORDERにも劣らない軍団

スラー一派とは、スラーの思想に賛同し、殺連に敵対する目的で集まった殺し屋集団です。

構成員の多くが、かつてアルカマルやJCCに所属していた人物で構成されており、実力者ぞろいなのが特徴です。

彼らはただの犯罪者集団ではなく、各々が独自の信念やトラウマを抱えており、それがスラーの理想と一致することで行動を共にしています。

特筆すべきは、ORDERのメンバーと同等かそれ以上の能力を持つ人物が多数いる点です。

たとえば、「鹿島」は戦略に長けた冷静な司令塔であり、「楽」は圧倒的な身体能力と戦闘センスを武器にしています。また、「クラブ・ジャム」のように精神攻撃を得意とする異色の存在もおり、チーム全体として非常にバランスが取れています。

ORDERは正義側の象徴とも言える精鋭部隊ですが、それに真っ向から立ち向かえるだけの火力と組織力をスラー一派は有しているため、物語の緊張感を大きく高める存在となっています。

各キャラの背景や人間性にも掘り下げがあり、単なる悪役ではないという点が、この軍団の魅力でもあります。

世紀の殺し屋展での戦闘シーン

「世紀の殺し屋展」とは、殺連によって開催されたイベントであり、殺し屋たちの象徴的存在や武器が展示されるという、一見すると平和的な催しでした。

しかし、スラー一派の急襲により、一瞬にして戦場と化してしまいます。

この場でスラーは、坂本やORDERのメンバーと激しい戦闘を繰り広げました。

しかし、途中でスラーの中の赤尾リオンの人格が出現し、南雲、坂本、スラーの3人は一時共闘することになります。

そして、坂本と南雲はスラーに協力したことによって、殺連から抹殺命令を下され、ORDERを始めとする多くの敵に狙われることとなります。

この事件以降、世間では「スラー一派＝恐怖の象徴」としてのイメージが一層強まり、殺連と民間との間にも大きな緊張が生まれました。

【サカモトデイズ】スラーの正体の核心に迫る｜多重人格の理由

殺連会長・麻樹栖との関係

スラーこと有月憬にとって、現殺連会長である麻樹栖は実の兄にあたります。

この兄弟関係が物語の核心の一つであり、複雑な因縁が深く絡んでいます。

麻樹栖は表向きには冷静かつ公正な指導者として振る舞っていますが、過去には数々の非道な命令を有月に対して下していました。

具体的には、アルカマルの制御やJCCでの暗殺任務を裏で操っており、有月を駒のように扱っていたことが明らかになっています。

有月が葛藤や精神的な崩壊を経てスラーへと変貌した大きな要因は、兄による強制的な指示や、信頼していた者からの裏切りにあります。

坂本に懸賞金10億をかけた理由は？

坂本に懸賞金をかけたのは、実際のところ、スラー本人ではなくスラーの中の人格である「赤尾リオン」でした。

赤尾はスラー（有月）を殺してほしいと思っており、それができるのはかつての戦友だった坂本や南雲しかいないと考えていました。

坂本に懸賞金10億をかければ、いずれスラーに辿り着くと目論んでのことでしたが、赤尾の思惑通り、坂本達はスラーのもとまでたどり着くことに成功します。

しかし、スラー一派やORDERの参戦により、現場は混乱を極め、「世紀の殺し屋展」ではスラーを逃してしまうこととなりました。

赤尾リオンとの逃避行と悲劇の結末

赤尾リオンは、有月憬にとって最も心を通わせた人物の一人でした。

JCC時代に出会い、任務を共にするうちに次第に信頼関係を築いていきました。

しかし、ある日リオンは有月が暗殺任務でキンダカを殺害する現場を目撃してしまいます。

その瞬間、二人の関係は大きく変わり、リオンは彼を信じ切ることができず、同時に彼を見捨てることもできませんでした。

結果として、二人は一緒にJCCを脱走し、逃避行を開始することになります。

この逃避行の中で、有月は次第に精神的な限界に達し、リオンに対しても不安定な感情を見せるようになります。

そして、麻樹に騙された有月は、リオンを殺害してしまう結果となってしまいました。

しかしこれは、有月の意図に反しての行為であり、そのショックから、有月はリオンの人格を宿すようになります。

この一連の出来事は、スラーの思想や動機の源流を知る上で欠かせないエピソードです。

多重人格の発症と「赤尾人格」「篁人格」誕生の背景

スラーには、複数の人格が存在していることが物語の中で明かされています。

代表的なのが「赤尾リオンの人格」と「篁（たかむら）の人格」です。

この多重人格は、過去のトラウマや精神的な断裂によって引き起こされたものであり、有月憬という個人が心の中で複数の存在に分裂してしまった結果です。

リオンの人格は、かつて心を通わせた彼女を失った悲しみと、もう一度彼女と一緒に在りたいという執着から生まれました。

一方で篁の人格は、篁との戦闘中に発現した人格であり、篁の能力を持って篁自身を斬り殺しています。

多重人格という特異な設定は、ただの演出ではなく、スラーの人間性や過去を深掘りするうえで重要な要素です。

壊れた精神と、それでも守りたいものがあるという矛盾した姿が、彼の魅力にもつながっています。

まとめ

『サカモトデイズ』におけるスラーの存在は、単なる敵役にとどまりません。

彼の正体や目的、過去に起きた出来事を知ることで、物語の背景や登場人物たちの心情がより立体的に見えてきます。

特に、有月憬としての一面や赤尾リオンとの関係性、多重人格という重いテーマは、ストーリーの奥行きを生む重要な要素です。

アニメ第2クールでは、スラーの動きが本格化することが予想されており、今後の展開をより楽しむためにも、ぜひこの記事の内容を参考にしてみてください。